ジンクリッチプライマーとは?施工費用が高騰する理由と重防食塗装の代替工法を解説

鋼構造物の防錆・防食を検討する際、「ジンクリッチプライマー」や「ジンクリッチペイント」という塗料をご存知の方も多いと思います。優れた防錆性能を持つ工法として知られていますが、実際の施工では想定を大幅に超えるコストが発生するケースがあります。愛知県知多郡を拠点に鋼構造物塗装・重防食塗装を専門とするナカセイ塗装株式会社が、ジンクリッチの基礎知識から施工コストが高騰する理由、そして費用対効果に優れた代替工法まで詳しく解説します。弊社の鋼構造物塗装サービスもあわせてご覧ください。
目次
執筆者プロフィール
ナカセイ塗装株式会社
愛知県知多郡美浜町を拠点に、鋼構造物塗装・エポキシ樹脂ライニング・遮熱・結露防止塗装など専門性の高い重防食塗装を手がける塗装専門会社。工場・プラント・橋梁・タンクなど大型構造物の防錆・防食工事に豊富な実績を持ち、素材・環境・コストに合わせた最適な工法提案を行っています。
ジンクリッチプライマーとペイントの違い
ジンクリッチ塗料とは、亜鉛末を高濃度で含む防錆塗料の総称です。亜鉛が鋼材よりも先に腐食する「犠牲防食作用」を利用して鋼材を錆から守ります。同じジンクリッチ塗料でも、プライマーとペイントでは用途・塗膜厚・使用場面が大きく異なります。
ジンクリッチ塗装にサンドブラストが必要な理由

ジンクリッチ塗料の防錆メカニズムは「亜鉛の犠牲防食作用」です。亜鉛末が鋼材の代わりに先に腐食することで鋼材本体を守りますが、この作用が機能するためには亜鉛末と鋼材表面が直接かつ密着した状態にある必要があります。
鋼材の表面にはミルスケール(黒皮)・旧錆・油分などが付着しており、これらが残った状態で塗装しても亜鉛末が鋼材と密着できません。そのためジンクリッチ塗装では国際規格(ISO 8501-1)で定める「Sa2.5以上」の表面清浄度を確保するサンドブラスト処理が事実上必須となります。サンドブラストは研磨材を高圧で噴射してミルスケール・旧錆を完全除去し、塗料が食い込むための微細な凹凸(アンカーパターン)を鋼材表面に形成します。
参照:ISO 8501-1「塗料およびワニスの前処理前後の鋼材の錆等級と下地処理等級」
サンドブラストなしで施工するとどうなるか
手工具・動力工具のみによる表面処理(St3程度)ではミルスケールや旧錆を完全に除去できず、亜鉛末と鋼材が密着しません。結果として犠牲防食が正常に機能せず、塗膜下で腐食が進行するリスクが高まります。施工直後は外観上問題なく見えても、数年以内に塗膜の剥離や錆の発生につながるケースがあります。
ナカセイ塗装では「本来の性能が発揮できない施工は責任が持てない」という考えから、サンドブラストなしのジンクリッチ施工はお客様にご提案しておりません。
ジンクリッチ施工のコスト現実
サンドブラスト処理には専用設備の搬入・設置・研磨材の管理・粉塵対策・廃棄物処理など多くのコストが発生します。そのため、ジンクリッチ仕様での施工は通常の塗装工事と比較して大幅に費用が増加します。
通常の塗装工事:100万円
ジンクリッチ仕様(サンドブラスト込み):500〜600万円以上
※現場状況・対象面積・使用塗料により異なります
この費用差を知らずにジンクリッチを指定した場合、予算超過や工期遅延につながるリスクがあります。防錆・防食の目的や予算に応じた工法選定が重要です。
コストを抑えながら耐久性を確保する代替工法

ジンクリッチ+サンドブラストの組み合わせが最適な現場がある一方で、多くの工場・プラント設備では代替工法でも十分な耐久性を実現できます。ナカセイ塗装では以下の工法を状況に応じて提案しています。
エポキシ樹脂ライニング
耐酸性・耐アルカリ性・耐水性に優れた厚膜塗装工法です。タンク内面・配管・工場床面など幅広い用途に対応し、サンドブラストほどの大規模な下地処理を必要としないケースでも高い耐久性を発揮します。水中でも硬化する材料を使用することで、排水処理槽・貯水槽などの施工にも対応可能です。
樹脂コーティング
対象素材・使用環境・要求耐久年数に応じて樹脂系塗料を選定する工法です。ジンクリッチほどの初期コストをかけずに、防錆・防食・耐薬品性を確保できるケースが多くあります。
ナカセイ塗装が主力とするエポキシライニングの特徴

ナカセイ塗装では、RSJ#100などの高性能エポキシライニング材を使用した施工を主力としています。RSJ#100は水中硬化性を持つため、完全な水抜きが困難な設備でも施工できる点が大きな特徴です。工場の排水処理槽・貯水タンク・配管内面など、通常の塗料では対応が難しい環境での施工実績があります。「ジンクリッチを検討していたが費用が予算を大幅に超えた」「耐久性を保ちながらコストを抑えたい」というお客様のご相談を多くいただいており、代替工法の提案から施工まで一貫して対応しています。
まとめ
ジンクリッチプライマーとペイントはいずれも優れた防錆性能を持つ塗料ですが、本来の性能を発揮するにはSa2.5以上のサンドブラスト処理が必須です。その結果、通常の塗装工事の5〜6倍以上のコストが発生するケースがあります。防錆・防食の目的・予算・施工環境に応じた工法選定が重要であり、エポキシ樹脂ライニングや樹脂コーティングがより費用対効果の高い選択肢となる場合も多くあります。工法選びにお悩みの方は、ぜひ弊社の塗料・工法紹介ページもあわせてご覧ください。
ナカセイ塗装株式会社
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